家庭血圧とは?

病院、診療所で血圧を測ると、通常よりも血圧が高くなる傾向があります。これは、白衣を着た医師の診察を受ける事への緊張感も含まれることから「白衣高血圧」と呼ばれています。

高血圧であるかどうかの判断が難しい際、また、高血圧治療を行なう際には、自宅で血圧を測定する「家庭血圧」測定をすすめられます。

病院で測定する際と、家庭で測定する際の高血圧基準値は次のように設定されています。

高血圧の基準値
家庭血圧135/85mmHg未満
診察室血圧140/90mmHg未満

家庭血圧のメリットや役割

家庭での血圧モニタリングは、高血圧患者の血圧値を、家庭のおちついた環境で測定できることから、「白衣高血圧」と見極めるためにも利用されます。

日本高血圧学会では、家庭血圧測定の意義として、次の点をあげています。

1.日常生活における血圧値とその変化が分かる・一定条件下での長期間の測定が可能である・白衣高血圧や仮面高血圧が診断できる
2.再現性や平均値の信頼性に優れる・臓器障害や心血管予後に強く関連する・降圧治療の適応決定や効果判定に有用である
3.自覚症状と血圧との関係が分かる
4.高血圧治療への意識の高まりが期待できる

引用:日本内科学会雑誌第100巻第2号

自宅で測定する血圧値を記録していくことで、変化の程度が確認できるようになります。

医師は、高血圧の治療にあたっての薬の作用確認に測定記録を利用することができます。 また、自分で血圧を測定することによって、健康管理への意識の向上にも役立ちます。

家庭血圧計の種類と特徴

病院・診療室の血圧計は「水銀」「アネロイド」、そして、家庭血圧計には「上腕式」「手首・指式」があります。日本高血圧学会では、手首式や指式よりも「上腕式血圧計」をすすめています。

「上腕式血圧計」「手首・指式血圧計」の特徴
手首血圧計も正確に使用することができますが、上腕用血圧計のほうが正しく測定するのが簡単であるといわれます。

手首は身体の中でも非常に敏感な部分です。手首モニターで血圧を測定する際は、腕と手首が心臓の位置にある必要があります。それでも、手首で測定された血圧測定値は、通常、上腕で測定された血圧測定値より高く、正確ではありません。これは、手首の動脈が狭く、上腕の皮膚ほど深くないためです。

腕が大きくて血圧測定が痛いという人もいます。これらの場合、手首・指式血圧測定を選択できます。

「アネロイドモニター」の特徴
アネロイドモニターの長所は、軽量で水銀漏れの心配もないため、持ち運びが簡単なところです。また、聴診器を利用し、実際に音を聞きながら測定することから、血圧測定値が正確であるといわれています。

短所としては、聴診器を通して心音を聞く必要があるため、聴覚障害のある人にとっては適切ではないことがあげられます。

アネロイド型血圧計は、血管音(コロトコフ音)を正確に聞き分けることが重要です。そのため、病院・診療所にて使用練習を行なうことをおすすめします。