血圧が高いとき

高い血圧を改善するには正常血圧値を把握する必要があります。正常血圧値は年齢、性別、持病等によっても変わってくることから、それぞれの「降圧目標値」を把握しておくことが大切です。

年齢、性別、持病別ごとの血圧目標値

成人年齢別・性別による降圧目標値一覧

高血圧、また、血圧が高い場合は、正常粋の血圧数値を目指して生活習慣の見直しを行っていきますが、その目標とする数値を「降圧目標値」と呼びます。

降圧目標値は、年齢や合併症の有無、測定環境によって異なります。

日本高血圧学会高血圧治療ガイドラインでは、成人の年代を2つのグループ(若年、中年者、前期高齢者-65歳以上・後期高齢者-75歳以上)、合併症を4つのグループ(糖尿病患者、CKD-慢性腎臓病患者(蛋白尿陽性)、脳血管障害患者、冠動脈疾患患者)に分け、測定環境ごと(診察室血圧・家庭血圧)の降圧目標値を設定してあります。

降圧目標ー年代・合併症別

診察室血圧家庭血圧
若年、中年者、前期高齢者
-65歳以上
140/90mmHg未満135/85mmHg未満
後期高齢者-75歳以上150/90mmHg未満
(忍容性があれば 140/90mmHg 未満)
145/85mmHg未満(目安)
(忍容性があれば 135/85mmHg 未満)
糖尿病患者130/80mmHg未満125/75mmHg未満
CKD患者(蛋白尿陽性)130/80mmHg未満125/75mmHg未満(目安)
脳血管障害患者
冠動脈疾患患者
140/90mmHg未満135/85mmHg未満(目安)

注:目安で示す診察室血圧と家庭血圧の目標値の差は、診察室血圧140/90mmHg、
家庭血圧135/85mmHgが高血圧の診断基準であることから、この二者の差をあてはめたものである

引用:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」

血圧を下げるには?予防・改善方法

高血圧症状には処方薬を使うのみではなく生活習慣を改善していくことが重要であるといわれています。また生活習慣の見直しは、血圧が正常値の方にとっても、高血圧の予防に役立ちます。

高血圧学会は、生活習慣の修正項目として、食事、体重管理、運動、酒、たばこ等の嗜好品の見直しをあげています。

<生活習慣の修正項目>

1 減塩6 g/日未満
2a 野菜・ 果物野菜・果物の積極的摂取*1
2b 脂質コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
魚(魚油)の積極的摂取
3 減量BMI(体重(kg)÷〔身長(m)〕が 25 未満
4 運動心血管病のない高血圧患者が対象で,有酸素運動を中心に定期的に(毎日 30 分以上を目標に)運動を行う
5 節酒エタノールで男性 20-30 mL/日以下,女性10-20 mL/日以下
6 禁煙(受動喫煙の防止も含む)
*1. 重篤な腎障害を伴う患者では高 K 血症をきたすリスクがあるので、野菜・果物の積極的摂取は推奨しない。糖分の多い果物の過剰な摂取は、肥満者や糖尿病などのエネルギー制限が必要な患者では勧められない。

引用:日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」

生活習慣を見直す7つのポイント

厚生労働省の「生活習慣病対策」の中から、当てはまる項目が多いほど高血圧になりやすいと指摘のあるリストをチェックしてみます。

濃い味つけのものが好き不適切な食生活(食塩過剰)
野菜や果物はあまり食べない不適切な食生活(食事のバランス)
炒めものや揚げもの、肉の脂身などが好き不適切な食生活(エネルギー・脂肪過剰)
運動をあまりしない運動不足
ストレスがたまりやすい過度のストレス
お酒をたくさん飲む過度の飲酒
たばこを吸う喫煙
血糖値が高いといわれたことがある生活習慣病
家族に高血圧の人がいる家族歴

参照:厚生労働省ホームページ

このリストからストレスのかかる頻度も、生活習慣の見直し要素に大きく関わってくることがわかります。

高血圧学会の6つの生活習慣の修正項目に、ストレスを加えた7つのポイントでの予防、対策を考えてみます。